≪シリーズ“日本のこころ”について≫
2011年3月、東日本大震災という未曽有の大災害に見舞われ、私たち日本人の意識やものの考え方は大きく変化しました。
バブル崩壊後も、それ以前に経験してしまった“モノ”の溢れた豊な暮らしと、現実の暮らしとのギャップを受け入れることができないまま、多くの日本人が、つねに心のどこかに不満を抱えた日常を送っていたように思います。
しかし、あの巨大津波がすべてをのみ込み、予想だにしなかった原発事故で大勢の人が住み慣れた家やふるさとを追われる様を目の当たりにし、“モノ”を追い求めることの虚しさを強く感じました。
また、それまでは、ともすると他者との関わりを面倒に感じ、物事に真摯に正面から向き合うことは何か格好の悪いことのように思う風潮が蔓延していた私たちの中に、『絆』という言葉に象徴される、他者を思いやり互いに助け合い、他者と積極的にかかわろうとする機運が沸き起こりました。
現代人が忘れかけていた、古代からずっと“モノ”より“ココロ”を大切にして生きてきた日本人の精神が強く意識されるようになったのです。
こうした考え方は、大昔から自然に翻弄されながらもそれを受け入れて、諦めることなく粘り強く前向きに立ち向かい、自然とともに生きてきた農耕民族である私たち日本人の根底に流れる“日本人の精神”そのものなのだと思います。

『3.11』後のこうした変化を受け、SPACE FACTORYでは2013年に新たなシリーズ“日本のこころ”を立ち上げました。
このシリーズでは、大震災を機に自分が日本人であることを強く意識するようになった私達が、古来、物質よりも精神を大切にしてきた日本人の誇りを再び取り戻すためには、いったい何が必要なのかを、改めて問いかけたいと考えています。
 
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